'97名阪戦ドキュメント

去る6月21日(土)に三重県松坂市の山室山ダートコースにおいて、 第50回名阪戦が行われました。その結果を学部4年生のこの私、 嶋田 創がレポートします。



第1章 開催への奔走

今年の名阪戦はまず会場探しから始まった。名阪戦の主管は1年交代で行われ、 名大主管の時は城西ジムカーナ場でジムカーナを、阪大主管の時はプラザ坂下で ダートトライアルを行うのがここ数年の習わしだった。 だが、今年の4月に城西ジムカーナ場に連絡を入れてみると周囲の住民・・・ といっても新たにできた三十うん階建てのマンション(一部億ション)の住民 だけの苦情である。しかし、奴らは金を持っているので、 裁判に持ち込んでくる可能性があり、あんまり強くは出れず、 しかたなく土日の競技使用は中止にするとのこと。

しかたなく、われわれ4回生を中心に別の会場の使用の可能性を当たってみた。 が、他にジムカーナの行える瑞浪モーターランドや キョウセイドライバーランドは、規模が大きくて会場使用料が高い。 ダートコースである池の平ワンダーランドや 山室山ダートコースの方が安かったりする。 そこで、阪大と協議して今年から名大がダートトライアル、 阪大がジムカーナを担当することに変更した。 会場の方はどちらも名大からの距離はほぼ同じなので、阪大に近い 山室山ダートコースの方に決定した。さっそく予約を入れるのだが、 結構予約が入っていて6月の半ばまで詰まっているとのこと。 ということは・・・げ!6月8日の名阪戦閉会式を過ぎてしまうため、 オープン扱いになってしまうではないか!まあ、今年は選手層が薄いので、 負けて名大の総合準優勝に貢献するよりはオープンになっていた方が いいという話もあるが・・・。

そして、大会5日前。阪大からエントリーリストが僕の所に届く。 一通り目を通して・・・く、屈辱!阪大の方が車がいいではないか! 特にCD5Aランサー(195馬力4WD)は強敵だ。 車名が嫌みにしか聞こえないぞこら。対するこちらの4WDは BFMRファミリア(140馬力)。この馬力差は大きすぎる。 他にも全日本戦とかでもこちらの車を圧倒した車ばかり。 (過去形であるあたりが自動車部)おもいっきり負けそうな気がする。

第2章 毎度お馴染み直前トラブル

いよいよ大会の前日。ここで、栄えある直前トラブルの女神の 祝福を受けたのは中村君のBFMRファミリア。大会2日前に 池の平ワンダーランドで練習中に突如エンジンがストップ。 火花が飛ばないことから点火系のトラブルらしいのだが、 デスビ、ハイテンションコード、イグニッションコイルなどの よくあるトラブルポイントを見ても解決できない。 とりあえずその日は長野県との県境から延々と牽引にて車庫に戻る。 頑張って直そうとするが、どこが壊れているのか全然分からない。 前日ということで明日のオフィシャルをやるために集まった 先輩達も動員して徹底的なトラブルシューティングを行う。 そして、当日の午前3時。ようやく原因らしきものが見つかる。 どうやら、点火信号をコンピュータに送るセンサらしきものの 接触が悪かったらしい。そして、無事にエンジンは復活の咆哮をあげる。 が、この時、誰も点火タイミングが狂っていてパワーが 出ていないいうことに気付かなかった・・・。

第3章 いよいよ大会

いよいよ大会当日。前日の午前中に台風か通過したため、 路面の大部分が湿っていた。そして天候は晴、ということは 路面はどんどん乾いて行くため、最後の一本が勝負になる。 最後の一本はいつもにもまして落とせない戦いになる。

いよいよ競技が始まった。まず2本目。 早くも名大に取って波乱の一本目となってしまった。 ゼッケン5番稲田のシビックがフロントからコースアウトして ラジエターに穴が空けてしまった! そのコーナーはコースのいちばん低いところにあり、 路面が予想以上にヌタヌタになっていたところで、 どの選手もアウトにはらみ、他に2台ほどコースアウトしたコーナーである。 とりあえず1本目が終わって1位は阪大のCD5A、2位は名大のBFMRと 予想通り4WDが1-2を占めている結果になった。

そして2本目、各選手順調にタイムアップしてきている。 強敵の阪大CD5Aはパイロンのみならずコース上に置いてある ドラムカンにまでぶちあたり、ペナルティ10秒を食らう。 最初のドライバーズミーティングでドラムカンに当たってもペナルティを 取るとは言っておいたが、まさか本当にぶちあたる奴がいるとは思わなかった。 一方名大のBFMRもミスコースして4WD対決は痛み分けとなった。 また、1本目でラジエターに穴を空けたシビックは、 冷却水の漏れはそれほどではなく、1本走る間は十分持つということで 出走しようとしたが、スタートラインにつく直前に異音が発生して これまたリタイアとなった。 この2本目までは名大と阪大の差は2秒ほどしか無く、 うまく行けば逆転できるかもと期待をしていたが、 淡い期待はつづく3本目で無惨にも破られた。

いよいよ3本目。シビックは異音の原因を解決してようやく 出走できるようになりとりあえずタイムは残せた。 が、名大勢はタイムアップをできず。そして、 阪大はCD5Aそれまでのベストを4秒以上も更新するなど、 順調にタイムアップして結局は総合で10秒以上の差をつけられてしまった。

そして、表彰式の後は焼肉屋で親睦会。 筆者はダートラ場の残りの使用時間を利用した オフィシャルの練習会の方にいたのでこれについては分かりません。

第4章 これで終わっては面白くない。
    またまたトラブル・・・

で、親睦会も終わってあとは大学に戻るだけですが、 ここでもトラブルは起こってくれました。 ラジエターに穴が空いたシビックは水を補給しながら 帰路についたのですが、 高速にのってしばらくするとオーバーヒートしてしまったとの連絡が 入った。どうやら高速の走行により冷却水の 圧力が上がって穴が広がったらしく、 ざざもれになっているとのこと。 筆者の乗っていた部車のランクルで牽引して欲しいとのこと。

そこで、牽引で帰る事になったのだが、 場所はまだ久居市のあたりである。 牽引は法定上25km/hまでしか出せないので、 高速道路は走れない。 また、国道23号線などの幅の広い道を走るのも大変である。 また、25km/hでとろとろ道を走っていられる筈もなく、 速度違反は当然することになるであろうから、 警察の多そうな道は避けて通りたい。 そのため、我々は鈴鹿山脈山麓の 名もない県道をえんえん6時間かけ、 途中、事故の現場検証をしていた警察官がいて、 何か言われるかとひやひやしながら通過したりしながら 私と稲田君は部室に戻ってきたのである。



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